歯周病

歯石を取れば歯周病は治る?治療の流れと再評価が必要な理由

医療監修 坪川 正樹(院長・歯科医師) 最終確認日:

「歯石を取れば、歯周病は治りますか?」というご質問をよくいただきます。歯石を取り除くことは歯周病治療の大切な工程ですが、それだけで治療が完了するとは限りません。歯周病の状態は、歯ぐきの炎症、歯周ポケット、歯を支える骨、毎日の清掃状態などを合わせて評価する必要があります。

歯周病の主な原因はプラークです

プラークは、歯の表面に付着する細菌のかたまりです。歯と歯ぐきの境目にプラークが残ると炎症が起こり、進行すると歯を支える組織が失われることがあります。

やわらかいプラークは毎日の歯みがきで取り除くことが基本です。一方、プラークが石灰化した歯石は歯ブラシでは取り除けません。歯石の表面は粗く、さらにプラークが付着しやすいため、歯科医院で専門的に除去します。

歯石除去だけでは十分とは限りません

歯石を取っても、日常的にプラークが残る状態が続けば、再び炎症が起こる可能性があります。また、歯周ポケットの深い場所に付着した歯石や、歯を支える骨の状態は、見た目だけでは判断できません。

そのため、歯石の量だけを見て治療の終了を決めるのではなく、歯周ポケットの深さ、検査時の出血、歯の動揺、画像所見などを確認します。喫煙、糖尿病を含む全身状態、服薬なども必要に応じて治療計画へ反映します。

歯周病治療は段階的に進めます

一般的な歯周病治療は、次のような流れで進みます。

  1. 歯周ポケット、出血、歯の動揺、画像などを検査する
  2. 現在の状態と治療の優先順位を共有する
  3. 歯ブラシ、フロス、歯間ブラシなどの使い方を整える
  4. 必要な範囲のプラークや歯石を取り除く
  5. 再評価を行い、治療への反応を確認する
  6. 必要に応じて追加治療を検討する
  7. 状態が安定した後はメインテナンスへ移行する

実際の処置や回数は、病状と治療への反応によって異なります。すべての方が同じ順序、同じ期間になるわけではありません。

再評価で「取った後」の変化を確認します

歯石を取った直後の見た目だけで、歯周組織が安定したかどうかを判断することはできません。一定期間後に再評価し、歯ぐきの腫れや出血、歯周ポケット、セルフケアの状態などを治療前と比較します。

改善した場所はその状態を保てるよう支援し、炎症や深い歯周ポケットが残る場所は、追加の処置が必要か検討します。歯石除去後に一時的に歯がしみたり、腫れが引くことで歯ぐきが下がったように見えたりする場合もあるため、気になる変化は担当者へお伝えください。

担当歯科衛生士と継続して管理します

当院では、すべての患者さんに担当歯科衛生士がつきます。検査値、口腔内写真、プラークが残りやすい場所、セルフケアの変化を継続して確認し、歯科医師と情報を共有します。

治療後の受診間隔は一律ではありません。治療前の病状、出血、清掃状態、歯石の付きやすさ、喫煙や全身状態などを踏まえて相談します。定期受診は単に歯石を取るためではなく、変化を早めに見つけ、必要な対応を調整するための機会です。

歯ぐきの変化が気になる方へ

歯みがき時の出血、歯ぐきの腫れ、口臭、歯の動き、噛みにくさなどがある場合は、歯石の有無だけで自己判断せず、検査を受けてください。痛みが目立たなくても歯周病が進行している場合があります。

歯周病の検査と治療については歯周病治療、当院の予防と継続管理については予防歯科・MTMをご覧ください。成人の新患・セカンドオピニオンはWeb予約をご利用いただけます。強い痛みや腫れがある方、小児歯科、現在通院中の方はお電話でご相談ください。

参考資料

この記事は一般的な情報提供を目的とし、個別の診断や治療の代わりになるものではありません。症状や治療の適応は診察結果により異なります。

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